華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・うさぎとかめのおはなし その1

      2017/02/23

ドッジボールの一件があってから、華に対するアヤネのイジワルはだんだんとひどくなってきました。

すれ違いざまに「チッ」と舌打ちされたり、イスの上に水たまりができていたり、消しゴムの中にシャープペンの芯が埋め込んであったりと、小さいイジワルがいくつもいくつも行われるようになりました。

小さいイジワルは、アヤネ本人が手を下さずに、取り巻きの女の子を使って行われるようです。

たたいたり、つかみかかってくるならばまだ対策のしようもあるのですが、このようにかくれて行われる小さなイジワルはなかなか対策が難しく、華は大変困っていました。

そんなある日、華が提出するはずだった漢字プリントがやぶかれるという出来事がありました。

華が鉛筆で丁寧に書いた漢字が消しゴムで消され、消すときにいきおい余ってやぶいてしまった、そんな感じのやぶれ方でした。

教室に戻って来て、やぶかれた漢字プリントを見つけた華は、泣きそうになりました。でも泣くのをグッとこらえ、やぶかれた漢字プリントをテープでていねいに直しました。それから消されたところを、前よりもていねいに書き直して提出しました。

その日、華はしずんだ顔で道場に帰ると、学校でされたイジワルをじぃじに話しました。

じぃじはいつものようにお茶とお菓子を出すと、「そうか~」「大変だったの~」という感じで、ただ華の話をきいてくれました。

華が一通り話を終えると、じぃじは「何よりまずな、漢字プリントを提出するのが先なんだな。それができたのは良かった」と言ってくれました。

話を最後まで聞いてもらって、その上ほめてもらった華は、すっかり気持ちが楽になりました。

「華、仕返しがしたいのか?
お友達に痛い目にあって欲しいのか?」

じぃじが華に尋ねました。

華はちょっと考えてからこう答えました。

「ううん・・・あのね、イジワルを止めてもらえばそれでいいの」

その答えを聞いたじぃじは「そうか、そうか」とまんぞくげにうなずきました。

「勝負してみるしかなかろうな」

じぃじがそう言うのを聞いた華は「勝負?アヤネちゃんと戦うの?」ときょとんとしました。

はな は アヤネ と しょうぶ することに なった!

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