華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・オトメ中の下見に行く

      2016/04/06

「じぃじ、華ね、オトメ中を受けるんだ!」

それを聞いたじぃじは「ほーっ、大したもんだ」と目を細めてつぶやきました。

じぃじ早乙女女学校出身で、華が生まれる前に亡くなった妻・タヱのことを思い出していました。町の武道館でタヱと出会って、一緒に稽古するようになって、結婚して、子供が生まれて、孫が生まれて・・・。

「じぃじ?」華に声をかけられてじぃじはハッと我に返ります。

「そうかそうか。オトメを受けるのか。試験はいつだ?」
「う~ん、わかんない。」
「そうか。それじゃ問題は手に入れたのか?」
「ううん、まだ。」
「ん?過去問くらいあるだろ」
「ううん、あのね、オトメ中はまだできてないの」

早乙女中学校・高等学校は、来年4月の開校に向けて、早乙女地区に建設中なのです。

「そうかそうか。じゃぁちょっと見に行くか」

華とじぃじは、二人で建設中の早乙女中に向かいました。

工事中の早乙女中。どこもかしこもコンクリートむき出しで、工事現場の人たちが忙しく働いています。

するとヘルメット姿のおじさんが現場からじぃじの方に走ってきて「先生!」と声をかけてきました。

「おっ、ひさしぶりだな」じぃじは答えます。昔じぃじの道場に通っていた人で、今は現場監督をしているのだそうです。

「孫娘がオトメを受けたいって言うんでな、見に来たんだ」じぃじがそう言うと、現場監督のおじさんが現場を案内してくれることになりました。

華とじぃじはヘルメットをかぶり、現場を歩きながら、早乙女中が鉄筋コンクリート7階建てになること、体育館とプール、テニスコートが作られ、OG会の建物が作られる事を知りました。

図面を手に指示を出す人、クレーンを操作する人、一輪車で砂を運ぶ人、火花を散らせて溶接をする人。建物を建てるという事は、色んな人が関わって行われるという事を、華は現場を見て学びました。

華は制服を着て、早乙女中から帰る自分の姿を想像しました。背筋を伸ばして、胸を張って歩く姿が目に浮かびました。華は不思議と、そうなれるような気がしました。

「じぃじ、ここに通いたい!」
「おっ、じゃぁ勉強しないとな」
「うん!」

華は元気に答えました。

はな は がっこう の したみ に いった!
はな は つうがくするすがた を イメージした!

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