華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・オトメ中模試を受ける・その4

      2016/08/31

「模試が終わったらな、すぐに自己採点するんだ」

じぃじは冷凍庫にアイスを入れながらそう言うと、コピーした問題用紙を取り出しました。

華はじぃじに言われ、自分が答案用紙に書いた答えをできるだけ思い出して、コピーした問題用紙に書き込んでいきます。

それが終わると、じぃじが配布された解答を見ながら採点していきます。

採点が終わったら、華が◎△×の3つに分類していきます。

分類が終わったら、じぃじが問題を切り取って、ノートに貼り付けていきます。

華とじぃじの、流れるような連携作業です。

ようやくそこまで終わってから、華とじぃじは冷凍庫からアイスを取り出して、食べ始めました。

「模試の問題が難しくてね、全然解けなかったの・・・」
「最初の問題で時間を取られてね、後ろの問題は全然できてないの・・・」

華はアイスを食べながら、時々キーンと来る頭痛に耐えながらじぃじに話しかけます。

「そうか~、問題が全然解けなかったのか~」
「そうか~、最初の問題で時間を取られたのか~」

じぃじは歯のしみるような痛みに耐えながら、華の言う事をオウム返しに繰り返します。

たったそれだけなのに、華は気持ちがうんと楽になりました。

「合気道はな、一生稽古して、一生使わないんだ。」

じぃじが華に語りかけます。

「普通に生きててもな、一生に一度は危ない目に遭う。
その時にな、生命を落とさないために稽古するんだ。」

華はじぃじを見つめたまま、真剣に話を聞いています。

「だからな、稽古では何度死んでもいいんだ。
稽古で死んで、一生に一度あるかないかの本番で無事ならそれでいい。」

「・・・!」

華が何かに気づいたようです。

模擬試験は本番前に失敗を経験しておくためにある、
じぃじは華にそう言いたかったのです。

じぃじは華の方を向いて「ニヤッ」と笑いました。

はな は もしのいみ が わかった!

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