華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・作文に苦労する その1

      2016/10/12

「ダメ・・・書けない・・・」

華は鉛筆を投げ出して机につっぷしてしまいました。

ハルトはその隣で、消しカスを集めては指先でコネコネしています。

二人とも全く筆が進まず、原稿用紙はまっ白なままです。

夏休みの宿題の読書感想文。二人共これが大嫌いなのです。

原稿用紙1枚、400文字がとてつもない量に思えて、仕方がないのです。

「わはははは」

10分経っても全く筆が進んでいない二人を見たじぃじが大声で笑いました。

「二人とも全く進んどらんな」

ちびまる子ちゃんが落ち込む時、顔に3本の線が入りますが、二人ともまさにそんな感じです。

「どれ、ちょっと待っとれ」そう言ってじぃじは腰を上げました。

戻ってきたじぃじの手には二日分の新聞がありました。じぃじは二人に新聞を手渡しました。

「一面の下にな、コラムという横長の記事があるな。○○春秋とか書いてあるだろ。それをな、原稿用紙に書き写すんだ。」

「「えぇーっ!?」」

華とハルトが同時に抗議の声を上げたのを聞いたじぃじは、「わははは」とまた大声で笑いました。

「制限時間は10分。終わったらいいことがあるから、まずやってみそ。」

「みそ?」に首をかしげながらも、華とハルトは原稿用紙に向かいました。

習っていない漢字があります。
難しい言い回しがあります。
英語が普通に出てきます。

小学生には難しい内容ですが、それでも頑張って10分で書き写しました。

終わってみると、それはちょうど原稿用紙1枚が埋まる程の分量でした。

あれだけの文章が、わずか原稿用紙1枚分の400文字で書かれている事に、華もハルトも驚きました。

そして華とハルトは、自分が原稿用紙1枚を埋めることができたことにも驚いていました。

「じぃじ、華ね、原稿用紙一杯に書けた!」
「僕も書けそうな気がしてきた!」

華とハルトが口々に言うのを聞いて、じぃじは「ニヤッ」と笑いました。

はな と ハルト は げんこうようし を うめることができた!
はな と ハルト は さくぶん が できそうなきが してきた!

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