華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・作文に苦労する その4

   

「何でもそうだけどな、最初は『7割で良し』とするんだな」

じぃじの話を、華とハルトは真剣な眼差しで聞いています。

「最初っからな、100点を目指そうとするから、筆が進まなくなる。
でも制限時間があるから、無理やりでも筆を進める。
そうやって書いた作文がいい作文なわけがない。」

華とハルトは素直に頷きます。

「当然いい点数がもらえないから、作文に自信がなくなる。
これが作文を書くのがやんだぐなる仕組みなんだな。」

じぃじは華とハルトの作文に、太い赤鉛筆でサラサラと書き込みをしながら話を続けます。

四角く囲んで文章の前後を入れ替える、表現を変える、文体を統一する、誤字を直すなど、いろんな所が直されます。

真っ赤になった原稿用紙を受け取った華とハルトは、二人そろって落ち込みます。ちびまる子ちゃんが落ち込む時のような顔の3本線が目に見えるようです。

「わっはっはっは」

二人を見たじぃじが大声で笑います。

「いいか。最初はこれでいいんだ。
まずは70点でもいいからな、とにかく書いて出すんだ。
そして先生に見てもらえ。
そしたらな、こんな風に直される。
でもそれでいいんだ。
その時は書き直してもう一回出すんだ。」

華がモジモジしながらじぃじに尋ねます。

「じぃじ・・・また書き直すの?」

頑張って書いた作文を書き直すというのは、華にとってもハルトにとっても、辛い作業なのです。

「そうだ」

じぃじは力強く即答します。

「書き直すとな、70点が80点になる。
もう一度書き直せば、80点が90点になる。
そうやってな、何度でも書き直して仕上げていくんだ。
やり直すというのは勇気がいる。
でもな、やり直す勇気を持つんだ。」

やり直す勇気を持つ。

それはじぃじが仕事を通じて学んできた、とても大事なことでした。

はな は さくぶん を かきなおすことになった!
はな は やりなおすゆうき を もった!

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