華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

華・採点者の立場に立つ

      2016/06/08

「それまで!」じぃじは掛け声と同時に、道場にある太鼓を「ドン!」と打ち鳴らしました。

華が解いた公立中高一貫校の過去問を、じぃじが採点します。

「採点する人の立場に立つとな、一瞬で○をつけられる解答がいい解答なんだ。
採点する人が一瞬でも『ん?』と思って手が止まるのはな、悪い解答なんだ。
採点する人が書いて欲しい解答を書くんだよ」

じぃじの言葉に、華は素直に頷きます。

「だからな、読みやすい文字で書く。下手でもいい。丁寧に書く事だ。
採点する人だって人間だから、丁寧に書いてくれたらな、○をつけたくなるんだ。」

じぃじは続けて言います。

「採点する人はな、ひとりで何百人も採点するんだ。
一瞬で○をつけられる解答だとな、採点する人の手間が減って、仕事が楽になる。
これを『気配り』というんだ。気配りはな、社会に出てから必要になるぞ。」

「そっかー、相手の立場に立つってことね」

じぃじは採点の手を止めて、華の方を向いて「ニヤッ」と笑いました。

「一瞬で○をつけられる解答ってのはな、安全な解答でもあるんだ。
先生見て見て!自分は出来る子なのよ!という解答はな、
採点する人に手間をかけさせる、安全じゃない解答なんだ。」

じぃじの言葉を、華は胸に刻み込みました。

はな は さいてんしゃのたちばにたつ を おぼえた!
はな は きくばり を おぼえた!

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