華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

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華・早寝早起きを始める

      2016/04/28

「夏菜さん、ちょっといいか?」夕飯が終わり、洗い物を終えた頃、じぃじは華が住んでいるアパートを訪ねました。

「はいっ、先生」そう言って台所から出てきたのは華のママです。

華の住むアパートは、じぃじの道場と同じ敷地にありますから、半ば同居しているようなもので、こうやってお互い気軽に行き来しています。ママは子供の頃、じぃじの道場に通っていました。だから今でもじぃじの事を「先生」と呼ぶのです。

「華はちゃんと夕飯は食べたかね」
「はい、夕飯はきちんと食べました」
「具合はどうだ」
「ちょっと気持ちが沈んでるみたいです」
「そうか・・・夜は早く寝てるのか?」
「それがどうも、夜遅くまで起きてるみたいです・・・早く寝るように言うんですけど・・・」
「そうかわかった。明日の朝、早めに起こしに来るから、今夜は早めに寝かせてくれるか?」

ママは何かを察したように頷きました。

そして翌朝の5時半。まだ外は薄暗くて、寒さを感じます。

鍵は朝のうちにママが開けておいたのでしょう。じぃじは華の部屋に入ると、華を揺すって起こしました。

「華、起きるんだ。散歩にいくぞ」
「ん~・・・じぃじ?もう朝なの?」
「そうだ。起きてこれを飲むんだ」そういって冷たい麦茶を華に差し出します。

華は半分眠ったまま麦茶を受け取り、コクコクと飲み始めます。あまりの冷たさに、華は目が覚めました。トイレを済ませ、急いで着替えると、じぃじと一緒に朝の散歩に出かけました。

冷たい空気が頬を打ち、吐く息が白く見え、華のメガネが曇ります。じぃじは昨日とは打って変わって、ちょっと早足で、背筋を伸ばし、規則正しく呼吸しながら歩きます。

「右足をあげるときは、右の手のひらを上に向け、下ろすときは下を向ける。
左足をあげるときは、左の手のひらを上に向け、下ろすときは下に向ける。
これを繰り返して歩きなさい」

「変な歩きかたー」華は笑いながらも、じぃじの言う通りに歩きます。

だんだん体が温まってきて、お腹も空いてきました。そうして10分程かけて歩いて、家に戻ってきました。すっかり目が覚めた華は、アパートの前でじぃじとハイタッチすると、家に入って行きました。

ドア越しに「ただいまー。ママー、お腹すいたー」という華の元気な声。それを聞いたじぃじはニッコリと笑うと、自分の道場に入っていきました。

はな は はやねはやおき を はじめた!

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