華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

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華・漢字100問プリントを始める

      2016/07/13

「華、これ見てみ」

そういってパパが差し出したのは、空欄を埋める形式の漢字プリントでした。

華の中学受験に、パパも協力してくれるようになりました。パパが作ったのは、6年生までに習う漢字を使った熟語のプリントを作るプログラム。1日100問。問題は毎回ランダムに選ばれ、間違えた問題を次の日の問題に入れて、再び出題する事もできるプログラムです。

「それ、じぃじに渡してな。」
「うわ・・・ありがと・・・」

華は心にもないお礼の言葉を口にしながら、漢字100問のプリントを受け取りました。これをじぃじに渡したら「ニヤッ」と笑って「明日からこれも追加する」と言うんじゃないか。そしたら朝やることが増えちゃう・・・そう思った華は、このプリントをじぃじに渡すかどうか、迷いに迷いました。

でもじぃじの「どっちか迷ったら、自分にとって辛い方を選ぶんだ」という言葉を思い出し、漢字100問のプリントをじぃじに渡しました。

「じぃじ、これパパが作ってくれたの」

漢字100問のプリントを見たじぃじは「ニヤッ」と笑うと「明日からこれもだな」と言いました。華は「やっぱりー」と大きなため息をついて、肩を落としました。

その姿をみたじぃじは「あっはっは」と大きく笑うと、こう言いました。

「じぃじはな、若い頃ちょっとだけボクシングをやったことがある。
ボクシングで大事なことはな、打つことでもなく、よけることでもない。
なんだと思う?」

華は小首をかしげ、???という顔でじぃじの話を聞いています。

「グローブをつけて相手と打ち合うとな、ものすごく疲れるんだ。相手を拳で打つんだけどな、上手に逃げ回るから追いかけなきゃならん。相手も打ってくるから、よけなきゃならん。両手を振り回しているうちに、あっという間に息が上がる。そのうちグローブが重くなってきてな、腕が上がらなくなる。たった1分でそうなるんだ。」

華は興味深げにじぃじを見つめます。

「ボクシングは1ラウンドが3分。1分でも息が上がるのに、3分も戦うんだ。それを4ラウンドとか、10ラウンドとかやる。体力がなかったらとても戦えん。華、わかるか?ボクシングをやる人が毎日やることが」
「あっ、わかった、マラソン?」

じぃじは「ニヤッ」と笑うと、続けてこう言いました。

「ボクシングに大切なことは基礎体力。そのためにボクシングをやる人は走る。毎日5キロとか、10キロを平気で走るんだ。勉強も同じ。勉強にも基礎体力がいるんだ。そのための100ます計算だ。これに漢字100問プリントが加わればもう最強のスーパーサイヤ人だ。」
「???」

最後の一言は、華には通じなかったようです。じぃじは慌ててもう一言付け加えました。

「ばぁば、ママ、華の3代でオトメに通うのも不可能じゃないぞ。」

この言葉を聞いた華は、自然と背筋が伸びていました。

「じぃじ、明日からがんばる!」

じぃじは「ニヤッ」と笑いました。

はな は かんじ100もんプリント を てにいれた!

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