華とじぃじの中学受験

架空の公立中高一貫校「早乙女中学校・高等学校」を受験する女の子と祖父の物語

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華・空間図形にチャレンジする その5

      2017/06/08

「さて・・・次はこれだな。」

じぃじが取り出したのは、1センチのサイコロと、1センチ四方の折り紙でした。

1センチ四方の折り紙はまるで、くす玉を割った時に落ちてくる紙ふぶきくらいのサイズです。

「まずはな、1センチのサイコロを作ってみるんだ」

「えーっ、できない!」
「ムリムリムリムリ!」

華とハルトが同時に声を上げたのを聞いて、じぃじは「あっはっは」と笑いました。

「まずはな、『できない』という思い込みをなくすんだ。思い込みをなくすにはな、『やってみる』しかないんだ。はい、はじめ!」

じぃじの言葉を聞いた華とハルトは、早速方眼紙に展開図を書いて、1センチのサイコロを作りました。

このサイズになると「のりしろ」も狭いのです。二人は苦労してのりをぬり、どうにかしてサイコロの形を作りました。

じぃじは二人のサイコロを手に取って「ニヤリ」と笑うと、こう言いました。

「次はな、この1センチの折り紙でな、鶴を折るんだ」

華とハルトは「えーっ、できない!」「ムリムリ!」と言おうとしましたが、じぃじにじーっと見つめられ、ようやくその言葉を引っ込めました。

「サイコロは何とかなるな。だがな、1センチの紙で折鶴を作るとなるとな、また別の問題が出て来てな、悩むことになるぞ。」

華とハルトは1センチの折り紙をひっくり返したり、爪の先で折り目を付けたりして、どうにか鶴の形に折って行きます。しかし、最後の頭の部分や、尻尾の部分はどうしてもきれいに折れません。このサイズになると静電気の影響も受けるし、紙の厚さも無視できないのです。

「じぃじ、これムリ」
「せんせ~、紙が厚くてムリです」

二人が断念したのを見たじぃじは再び「あっはっは」と笑いました。

「そうだな。このサイズになるとな、指では折れん。だからこうやってな、道具を使って折るんだな。」

じぃじはそう言うと、カッターの刃の部分や、つまようじを使ってチョイチョイと器用に折り鶴を作りました。

よーく目をこらしてみると、頭の部分も、尻尾の部分もちゃんと折られています。

あんなに小さな紙でも鶴が折れる事に、華もハルトも驚きました。

「我も人なり、彼も人なり。目の前でやって見せたんだ、若いお前らならすぐにできるようになるだろ。」

じぃじはそう言うと、読みかけの本を手に取り、再び読み始めました。

華とハルトはそれから暗くなるまで、夢中になって鶴を折り続けました。

華はその後、図形問題で悩んだら、実際に描いてみる、実際に作ってみるなどして、少しずつ苦手な気持ちをなくして行きました。

はな は 1センチ の かみ で おりづる を つくった!
はな は ずけいもんだい の にがていしき を なくした!

 

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